てるべるの始まりについて
今から20数年ほど前、当時ベルト職人の見習いをしていた私が独立の際、周りの友人などから
「てるいベルトだからてるべる」と呼ばれていたことから始まりました。
てるべるをスタートしたころは丁度バブル景気の終わりと重なり、職人にとって厳しい時代の始まり。
まだ職人として新米のてるべるが生き残るには、とにかく技術を磨き一つ一つを時間がかかっても
丁寧に作ることが最大の手段だと信じてベルト製作を行っておりました。
その後、徐々に軌道に乗り始め順調に成長していると思われたてるべるでしたが、
今度はベルトの製造は、国内から製造コストの安い海外へ流れ、一度はベルト職人の道を諦めた時もありました。
数年のブランクののちベルト作りを教わった親方から、もう一度ベルトづくりを手伝って欲しいと頼まれ
再びベルト職人として復活、しかし復活後もベルト業界は衰退の一途をたどり徐々に仕事がなくなってきました。
「自分の得意な事でなんとか復活したい」と思いながら何をしたら良いのかわからず毎日が過ぎていきました。
そんな時に実家で柴犬を飼うことになり、父から「ベルトのあまりで首輪を作ってくれよ」と頼まれ
たまたまあったベージュ色のトカゲの型押しで作った首輪が、お店で売っているものとは違い
なんともオシャレな雰囲気で愛犬にとても似合い、これが首輪を作り始めるきっかけとなりました。
それ以来ベルト製作の合間に趣味として犬の首輪を作りインターネットで販売開始。
お店の名前は「良いものを作りたい」との「てるべる」当時の思いそのままに、
再び「犬の首輪屋てるべる」と名付けました。
やがて自分でデザインし作る首輪がお客様に喜んでもらえる事が嬉しくて楽しくて犬の首輪作りにハマってしまいました。
いつまでも大切にしたい事
てるべるでの首輪は全て国内自社工房にて製作され、材料選びから、デザイン、首輪製作、発送まで一貫して行っているので、
商品への責任と思い入れが非常に強く、お客様にご満足頂ける商品をお届け出来ているのかいつも心配になります。
お客様に喜んでいただけた時は「ほっと安心」し、ご満足頂けない時は本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになる事もあります。
全てのお客様に喜んでいただくことは難しいかもしれませんが、てるべるの商品をお買い上げいただいたお客様には商品はもちろん
梱包やメッセージに至るまで、何か少しでも喜んで頂けるよう努力していきたいと考えております。
ずっと使い続けたい道具たち
革靴の職人だった父が亡くなった時、愛用していた道具箱から包丁やポンチなど長年使い込んだ沢山の機械や道具を受け継ぎました。
父の包丁やポンチには、大切な刃が傷まないよう、革で作ったオリジナルのカバーやケースなどに収められ常に道具を大事に
使っていた様子が伺えました。
良い道具は職人にとって一生物だと言いますが、私の場合は父の分も合わせて何時までも大事に使っていきたいと思っています。
お客様の期待にお応えできる様に
ベルト職人だった頃、いつも本当に良い物をと心がけていたのに何か物足りなかった物。
どんなに良いベルトを作っても我々職人にはお客様が商品をどう感じているのかが全く聞こえてこない。
今、インターネットを使って職人からお客様へ直接届けられるようになってから、毎日のようにお客様からの感想が届くと、
その責任から本当に毎日身の引き締まる思いです。
自分は商売人ではなくいつも職人でいたいと思っているので、お客様の声を大切にして、お客様に喜んで頂けるようずっと
努力していきたいと思います。